ライターズブルース

読むことと、書くこと

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

文章の生死

『なつかしい本の話』/江藤淳/ちくま文庫/2024年刊 最近どうも、ちくま文庫ばかり買っているような気がする。 生きているうちに司馬遷の『史記』を読んでみようかと思い立ったのが数ヶ月前。現代日本語訳としてはちくま文庫版が良さそうだと当たりをつけ…

批評的であるということ(その三)

『洲之内徹ベスト・エッセイ2』/洲之内徹/椹木野衣 編/ちくま文庫/2024年刊 大学で在籍していたゼミでは学期中に一回か二回、外部から講師を招いてのゲストレクチャーがあった。ゲストは作家や漫画家や舞踏家など、幹事をする学生によってさまざまで、…

批評的であるということ(その二)

『日本の家郷』/福田和也/洋泉社新書/2009年刊 『日本人の目玉』/福田和也/ちくま学芸文庫/2005年刊 「小林秀雄賞を擁する新潮社が洲之内徹の本を絶版にしたことは、批評的ではなかった」と前回書いた後で、なんだかバカなことを書いてしまったなと思…